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Writer's pictureSarah Takeuchi

WISC の読み方

WISC・児童向けウェクスラー式知能検査のテストをお持ちの方、またはテストをする受けることをお考えの方へ、診断書の内容を少し書いてみました。


WISC とは、Wechsler Intelligence Scale for Children、の略で日本語では「児童向けウェクスラー式知能検査」と呼ばれています。WISC は文字を使わない知能検査で、5つのカテゴリーに分けられています。全検査IQ (Full Scale Intelligence Quotient - FSIQ) は、全てのカテゴリーの平均スコアです。2014年に最新版の WISC-V が使われるようになり、その前の WISC-IV は2003年から2014年まで使われていました。



WISC-V の診断書には5つのカテゴリーがあります。

  • Verbal Comprehension Index (VCI) → 言語理解指標

  • Visual-Spatial Index (VSI) → 視覚空間認識指標

  • Fluid Reasoning Index (FRI)→ 流動性推理指標

  • Working Memory Index (WMI) → ワーキングメモリー

  • Processing Speed Index (PSI) → 処理速度指標


WISC-IV の診断書を持ちの方は4つのカテゴリーに分けられています。

  • Verbal Comprehension Index (VCI) → 言語理解指標

  • Perceptual Reasoning Index (PRI) → 知覚推理指標

  • Working Memory Index (WMI) → ワーキングメモリー

  • Processing Speed Index (PSI) → 処理速度指標


それぞれのカテゴリーにはいくつかのサブテストがあります。サブテストを理解することで、カテゴリーの弱みと強みがもっとよくわかります。それでは、カテゴリーを一つ一つを見てみましょう。


言語理解指標 (VCI) では、単語の意味、類義語、問題解決、一般知識などがテストされます。一般知識のサブテストはテストを受ける国や州によって差があり、最近移民されたの方や、English Language Learner の方は世界的に適用される一般知識のテストを取ることができます。VCI が低い場合、日常会話では聞き間違えが多い、会話の理解が低いなどの困難があります。学生生活の中では、授業が理解できず成績が悪い、友達と遊ぶ日程が理解できなく待ち合わせに遅れる、または予定をすっぽかす。


視覚空間認識指標 (VSI) では、空間認知、推理力、視覚と運動のコーディネーションがテストされます。VSI が低い場合、3次元空間の理解や情報処理が難しくなります。学生生活では、黒板からノートへの書き写しが難しい、グラフや絵を理解するのに時間がかかる、漢字やひらがなの形がうまく覚えられないなどの傾向が見かけられます。日常生活では、部屋がかたずけられない、運転が苦手、距離感が掴めないなどです。


流動性推理指標 (FRI) では、渡されたシナリオに対してどのような論理と推論を適用し問題解決をするかがテストされます。FRI が低い場合、新しい問題に対しての正しい解決方を見つけることが難しくなります。問題解決法をたくさん教え、フレキシブルシンキングを練習しましょう。


ワーキングメモリー (WMI) のテストでは口頭で聞いた数字や物の並べ換えがテストされます。例えば、試験官が3、5、1、7、9の数字を大きい数値から小さい数値に並べ替える、最後の数字から最初の数字を逆順にするなどが課題です。WMI が低い場合、頭でいくつかのことを整理整頓ができない、予定を覚えられないなどが見かけられます。大事なことは何かに書きおとしたり、携帯のアラームを設置するなどの習慣をつけましょう。


処理速度指標 (PSI) のテストは時間制限の中でどれくらい正確に答えられるかがテストされます。このカテゴリーはスピードと正確の二つを見ています。ページの上に0から9の数字が書かれています。数字の下にはユニークな記号が書かれています。課題はページに書かれている数字の下に正しい記号を書くことです。PSI が低い場合、時間制限のかけられている場面が苦手なかたが多いです。時間をかけて課題を終わらせたり、たくさん説明してあげると効果的です。



WISC の診断書の正確さは試験日から最大5年までが目安となっています。彼らにとって一番理解できる方法を見つけることによって点数が変わることがあるからです。脳は経験と共に変化するので個人個人にあったトレーニングやアプローチを早く見つけることが大切です。



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